
3Dプリンターの進化が止まらない。循環型社会を推進する力となっている。松岡康友氏が率いるDigitalArchi社は独自開発の大型3Dプリンターで、建築業界がもたらす環境負荷の軽減と事業成長を両輪でまわす。廃棄プラスチック由来の素材で、コンクリートをはじめ液状のものを固定化させる型枠をつくる。建物の基盤づくりに欠かせない部材だが、使用後に解体するため、再生プラスチックを社会に投入するうえで課題となる耐久性も問題にならない。活用する再生プラスチックの量も多く、地球の健康に力強く貢献する。
一方、避けて通れないのが「反り」の問題だ。ガラス素材と違い、形状の歪みがでやすい。成型時にスタッフが張り付き、アナログな手法で反らないよう調整を重ねてゆく。職人技だ。この工程が自動化できればイノベーションが加速するのではないか。だが、ふと思い直す。このような発想こそ、経済合理性を優先しすぎた資本主義の影響を受けているのではないか。成果を急ぐあまり手段が目的化すれば良薬も劇薬になりかねない。社会受容性を見据えつつ、必要なときに立ち止まり、見直せる、歩く速度で進むイノベーションこそ、循環型社会の基盤であるべきだ。
デジタルとアナログが高度に融合する3Dプリンターは、過ちを正しながら進む再生社会の象徴に思える。
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