Hachi Medida

森の映画祭

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長野県信濃町。動物や虫など、その地に棲まう「小さきもの」にまなざしを向けながら、人の暮らしと重ねて句を読んだ小林一茶が生まれた土地でもあります。東京から信濃町に移り住んだ8 Hachi Media編集長のぶさん。この町にすまう命と人のくらしを季節の巡りとともにお伝えします。


長野県信濃町で8/13〜8/15の3日間、野外映画祭が開催された。舞台となったのは旧古間小学校木造校舎が建てられている広場だ。

明治43年(1910年)に竣工され、昭和51年(1978年)まで小学校として使用されていたが耐震強度の課題から最近は使われなくなっていた。公民館に向かう坂の途中に木々に囲まれひっそりと佇む姿は、どこか寂しげでありながら、歴史を感じる重厚さもある木造校舎。

"旧古間小学校に文字どおり光(映画)を照て、町の人々の哀歓を見守ってきた、この美しい学舎の存在価値と、置かれている現状を、町内外に広く知ってもらいたい。"

その想いで2025年6月に立ち上がった「信濃町の原風景を共に考える会」が実現させたのがこの映画祭「シナノフォレストシネマ」だった。

「第一部は「サマーウォーズ」を上映したから、子供たちもたくさんいて凄い人だったみたいよ。」とのぶさんが、その盛況ぶりを語りながら現地に車を走らせる。車が会場に近づくにつれ、ほんのりと灯りが見えてきた。駐車場では交通整理が行われるほど人で溢れていた。何が行われているかわからないけれども人が集まっているからと立ち寄る人もいるらしい。

大型スクリーンや、ライトアップが、木造校舎と相まってより幻想的になった広場は、様々な年代の人が行き交い、かつて学び舎だったときの賑わいを取り戻したかのようだ。

「私ね、ここの小学校に通っていたのよ。懐かしいわ。」と立ち寄ったおばあさんが嬉しそうに話している。中には過去にこの校舎で結婚式を挙げた人もいたそうだ。映画祭をきっかけに光を照らされたのは校舎だけじゃない。信濃町で暮らす人たちの記憶も鮮やかによみがえっているのだろう。

いよいよ始まった第二部では「ブンミおじさんの森」というタイを舞台にした映画が上映されていた。森のシーンと共鳴するかのように聴こえてくる虫の音や、木が揺れる音。じめっとした夏の夜に見ているからか、空気感も同じように感じられて、映画の中に迷い込んだような錯覚を覚える。内容もお盆にピッタリで、亡くなった人が登場するシーンは、こちら(現実世界)でも同じことが起こるんじゃないかと思うくらい。

急に花火の音がした。音のする方を見ると打ち上げ花火が上がり始めた。それはまるで夏のフィナーレを告げるようだった。こうしてノスタルジーと共に信濃町はゆっくりと秋に向かい始めた。

llustration | Mayu Yamagata
「すまうもの。くらすもの。」のイラストは信濃町在住アーティストの方々によるものです

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8 編集室

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