
ミツバチが花々を飛んで、命を繋いでいくように、対談者同士が交わり合い知見や意識を共有し、新たな可能性を模索する対談企画「対談8」。初回となる今回は、株式会社esa取締役代表 黒川 周子と8 Hachi Media編集長 光岡 忍をゲストに迎え、8 Hachi Media立ち上げや、本メディアに対する想いについて語りました。
2024年12月から始まった8Hachi Media。「循環型社会とは何なのか?」「どうすれば実現するのか?」国内外の取り組みについて「学び」と「遊び」を交えて発信していくメディアです。このメディアは株式会社esa取締役代表 黒川 周子が発起人となり、知人であった光岡 忍が編集長となって立ち上がりました。
8 Hachi Mediaという名前の由来となったのが「循環」「再生」「種」「細胞分裂」「無限大∞」を想起させてくれる「8」というかたち。この名前に辿り着くまでに何があったのか。どんな想いが込められているのか。そのストーリーを語っていただきました。
長野県栄村小滝にて、蝉の音をBGMにして語った2人のトークをお楽しみください。
2023年の夏から、2人の間でオウンドメディアの立ち上げについて話し合いが始まった。再生樹脂をつくり資源の循環を事業としているesaで活動している中で、より大きな環をつくりたいという想いが強くなり、黒川から光岡に相談したのがきっかけだったそうだ。なぜ彼女に声をかけたのだろうか。
黒川
自然と人との関わり方や、アート、社会課題など、私と同じようなテーマにご関心をお持ちで、かつ実践している方だと知っていたので、相談に乗ってもらいましたよね。取り組まれていることを知りたいとも思って声をかけたのがきっかけだったと思いますけど、そのときはどう感じました?
光岡
嬉しくて恐縮だったのを覚えています(笑)。esaのお手伝いも少ししていたから、再生樹脂というマーケットの開拓の難しさは私も感じていたんですよね。実際にお客様が、「自社で再生樹脂を採用しよう。」というところまでに至るほどの共感をしてくれる方が少ないと言うか。
周子さんもピッチに立ったりして、情報発信されてますけど、特定の業界の人向けになってしまう。先細ってしまうと勿体無い気がして。せっかく時世が動いている今だからこそ、企業だけでなく一般消費者に向けてもサーキュラーエコノミーなど対する理解を進めてもらう何かがあってもいいんじゃないかなと。私や、お子さんのいる友人などにも、もう少しわかる言葉で伝えることができればいいですよね。
サーキュラーエコノミーや循環型社会について、広く取り上げて、共感してくださる方を、メディアを通じて増やしていきたいと思っています。

黒川
忍さんは今、東京を飛び出して信濃町に住んでいますよね。その行動力が素晴らしいのと羨ましい!
そういう姿を垣間見てもらうことで、都会で息抜きしたいと思った人にも、「こんな生き方があるんだよ。」というのを知っていただけたら、気持ちが楽になって、「違う生き方してみてもいいかもしれない。」とか、「自然の中で過ごすって気持ちいいよね。」という共感の輪がうめるんじゃないかなと思ったんです。
行動をしなやかにしている方だから、編集長としていろんな方の気持ちがわかるんじゃないかと思ったのも、忍さんにお願いした理由の一つですね。そもそも移住のきっかけは何でしたか。
光岡
私は都会生まれ、都会育ちなんです。自然が好きでも都会の環境にいると、目の前の仕事や生活で毎日新しい情報を浴びて暮らしている。年齢を重ねたこともありますが、写真を撮りながら自分と対話して、「撮りたい被写体は東京にはないな。」と気づいたんです。その時に、本当に自分を幸せにすることは何か考えることにして、移住することに決めました。立ち止まれるだけの心の余裕があったんでしょうね。
黒川
なるほど。私は8 Hachi Mediaが情報過多になりすぎず、押し付けがましくなく、見てくださった方が「へー」ってフラットに受け止めてくれるような余白があったらいいなと思って。
そういう余白を持つ感じが、編集長の生き様と似ているように思えたので、(今回、この動画を収録している)小滝の風景や、信濃町での暮らしが垣間見えるようなコンテンツを入れたかったんです。

8 Hachi Mediaでは、いくつかのオリジナルコンテンツを企画している。「サスティナブル」という言葉が用いられる様になる前から、持続可能な取り組みを続けている老舗企業の経営哲学などを取材した「老舗ノESG」。
アートを通じて、リサイクルや地球資源、地球と人など様々な角度で社会を捉える「Social Art Library 」。またマインドフルネスやウェルビーイングなど心を幸せにするためのヒントなど社会や経済だけでなく、人のサスティナブルについても考えていこうとしている。
様々な情報を発信していく中で、2人が意識していることがあるそうだ。
黒川
サーキュラーエコノミーが、日本でも国家戦略になっていく道筋が立ちつつある。そういう文脈で、盛り上がっている地域社会を取り上げる予定もありますよね。
光岡
そうですね。法律が変わって本当に、ここ10年で社会もかなり変わってきている。だから、私たち自身も学びながら、見てくださる方の役に立てる情報を提供していきたいです。
SDGsに関連しているニュースをキュレーションして紹介することも考えてますが、出来ていないことばかりを取り上げたりするのではなく、応援したいと思えて、読者にとっても参考になるような事例を伝えたいなと思っていて。
黒川
それはメンバー内でも、そういう意見がありましたね。枯渇するとか、絶滅しますよ!みたいな、恐怖を煽ってしまうのではなく、前向きになれる言葉で、「もっと良くしたい」とポジティブになれるようなことを紹介しようって。
あと、コンセプトをガチガチに組んでいるというよりは、余白や白黒はっきりしていない感じを大切にしたいです。わからないことを由とするような心の余裕を持ちたいと個人的に考えていました。
光岡
答え合わせをする場所ではないですよね。心の余裕を持って、面白い言葉を探してみるという感じてもいいですし、自然が好きな方は写真を楽しんでいただくだけでもいいと思っています。

メディアの名称を決める際に、インスピレーションとなったのが日本ミツバチ。8 Hachi Mediaの「8」には様々な意味が込められているという。
黒川
忍さんが日本ミツバチの話を教えてくださったのがきっかけでしたね。環境保全のシンボルで、生態系を支える存在でもある。いつか、日本ミツバチや生態系をもっと学びたいですね。ミツバチが象徴するエコシステムに少しでもあやかりたいので。
光岡
蜂は蜜源を見つけると、8の字ダンスをして、仲間に場所を教えるので、「社会的昆虫」と言われているそうです。そこをベースに考えたんですよね。
8には、サーキュレーションや白黒はっきりしない動きのある世界、自分、他人、社会との対峙など、象徴されるものが色々あると思って。
ロゴも8という記号でデザインしましたね。他には、種から芽生えた双葉というイメージもあって、それをステートメントでは表現しました。
最近、「メタ認知」という言葉を知ったんです。自分の認知している感情や思考を改めて客観的に捉え直す。それができると本当の自分が好きなことや、決めつけていた考えに気がつける。そういう気づきを感じてもらう、自分を改めて捉え直す場にしたいですね。
あと本当に種から芽が出るのって嬉しいんだ!ということを信濃町で過ごす様になってから思うようになったんです。「いつ種を蒔こうか?」「この間、芽が出たよ。」という話題をご近所さんと楽しむ。それは原点的な幸福のあり方だなって。

黒川
心ってすごい大事ですよね。どう自分と上手く付き合うかを、「我が我が」ということでなく、向き合い方を考えることで新しいものが見えてくる。そういう視点を提供したり、自分の中にある何かを考えていけるようになれたらいいですね。
光岡
そうすると自然と個性が生まれる気がしますね。創造的なアイディアやクリエイティブな仕事の仕方になっていくというか、全てが自分事に変われるんじゃないかな。
黒川
いろんな方に寄稿していただいたりもしますが、アートなどを観た時に綺麗だなと感じる様に、直感的に素敵だなと思ってもらえたら嬉しいです。
光岡
ちょっと綺麗だね、くらいでも嬉しいですよね。偶然、今のチームは女性ばかりなので、その繊細さが生きているといいのですが…
黒川
繊細でありますように(笑)。
光岡
結構男前ですからね(笑)。

黒川
(本対談収録時は)まだ8 Hachi Mediaは始まっていないのですが、寄稿していただく方々とお話して、コンセプトやステートメントを考えたりして思ったのは、「心がハッピーになるメディア」みたいなところが目指せたらなと。自分の心が少しでもHappyになるようなメディアになりたいと思っています。
光岡
まずは自分たちがHappyにならないと。そうでないと、伝えられないと思います。編集長として携われるのは本当に嬉しいんです。
これからも対談は継続していくので、多方面で繋がりが生まれて、異なるもの同士の共有を楽しんでいく。多様性の中の自分であり、みんなであり、お互いに刺激し合って膨らませたいです。
黒川
そういうところを目指して、これからもよろしくお願いします。
光岡 忍
高校でアメリカ留学をした後、東京造形大学にて写真とグラフィックを学ぶ。在学中よりカメラとフィルムを抱えてアフリカ諸國からヨーロッパ、アジア、南米を旅して廻る。西アフリカのギニア共和国・セネガルにて半年滞在し民族舞踊を研究。
帰国後は、メディア媒体、文具メーカー、外資系不動産、スタートアップで主にクリエイティブ制作等に携わる。2024年より8HachiMediaの立ち上げに参画し、編集長として活動。同年に長野・信濃町へ移住し、地域ブランディング等を手掛けている。
黒川 周子
学生時代をイギリスで過ごした後、アメリカでの勤務を経て、帰国。その後、飲食店舗の開発、運営に携わる。2011年の東日本大震災を契機に、チャリティー団体カーネーションズを共同設立。環境保全や教育に注力した活動を行う。
2022年3月、株式会社esaを設立、代表取締役を務める。「複合プラスチック」をマテリアルリサイクルする独自技術を開発し、京都大学と共同研究を行う。独自技術により、廃棄プラスチックから再生樹脂の量産化に成功。この技術を用いて、循環型社会実現の一助となることを目指している。
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8 編集室

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