
サーキュラーエコノミーという言葉を耳にする機会が増えた。製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化する循環経済をさす。人間の都合で負担を強いてきた地球を健やかに再生する仕組みとして注目されている。
大きなうねりを感じるのは、循環経済の実現をビジョンとするスタートアップの台頭や、資本主義社会を牽引してきた企業が経営の意思決定に循環経済の指針を織り込む潮流だ。小子化が加速する中、環境意識の高い将来世代を取り込むブランディング施策ではないかと揶揄する声もあるが、業態やビジネススキームの変換も辞さない動きからは、リスクを負っても地球を再生するという強い意志が感じられる。いずれにしても、ビジネス環境の変化を的確にとらえた生き残り戦略であることは間違いない。
地球再生は、人類の生き直しである。ネガティブにとらえず成熟の好機とし、利己と利他の境界を溶かす発想や技術で実践する企業の躍進は、曖昧模糊とした未来に光を刺すだろう。文明の恩恵を多分に享受してきた国や世代は率先して、連帯を示すべきではないだろうか。地球の悲鳴に耳をふさぎ、途上国や将来世代にツケをまわすのではなく、生き直しの術を学び、実践する。ここに自らの幸福度をも高める道があると感じるのだ。と、偉そうに言ったものの著者も行動が伴っているわけではない。火が着いた尻に慌てている次第だ。
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