
海洋プラスチックごみ問題を世界に認識させるためのキャンペーンプロジェクト「Trash Isles」をご紹介します。このプロジェクトは、主にグリーンピースが中心となって展開されました。
太平洋には「太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)」と呼ばれる、日本の国土の約4倍とも言われる巨大な海洋ごみの集積地があります。しかし、そこは国でも島でもないため、これまで国際法上ではあまり問題として扱われてきませんでした。

そこでグリーンピースは発想を逆転させ、「それなら国として認めさせてしまおう」というコンセプトを掲げました。このごみの集積地を架空の国家「Trash Isles(ゴミ諸島)」として“建国”するキャンペーンを実施したのです。
具体的な活動として、まず国旗・国歌・パスポートを制作し、通貨や切手もデザインされました。さらに「市民」登録を世界中から募集したところ、数十万人規模の応募が集まりました。その上で、各国政府や国連に向けて「国家として承認せよ」という提案を行ったのです。

もちろん、本当に国を作ることが目的ではありません。このプロジェクトの真の狙いは、海洋プラスチックが国家レベルの問題であることを可視化し、「誰の責任でもない」という状態をなくすことにあります。そして、企業や政府に対してプラスチック削減の行動を促すという強いメッセージを発信しました。
その成果として、この取り組みは世界中のメディアで大きな話題となり、海洋プラスチック問題への関心を大きく高めることにつながりました。結果として、企業や自治体による脱プラスチック施策の後押しになったと評価されています。

このプロジェクトは、誰も思いつかないような、あるいは思いついたとしても実行に移さないようなビッグアイデアだと言えます。海洋ごみが減少する直接的な解決策ではありませんが、ここまで徹底しなければ、なかなか人々の関心を得られない問題なのかもしれません。
また、国として認めてもらうための紙幣、パスポート、国旗などのデザインも素晴らしく、プロジェクトの本気度が伝わってきます。それらを実際に政府や国連へ提案したことも、情報を拡散させるという意味で大成功している事例ではないでしょうか。メディアが取り上げたくなるような話題作りが非常に巧みなプロジェクトであると感じます。
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