
皆さまは優しさを求めることがありますか? それとも優しさよりも、強さ、厳しさ、明晰さ、冷静さ、速さなどを求めるでしょうか。もっともこれらの概念は互いに対立するものではなく、並立し得るものでしょう。
マインドフルネスと優しさとは深い関係があります。マインドフルネスでは、今、この瞬間に気づきを向け、自分や他者を優しく受け入れることを基本とします。
誰かに優しくあるためには、まず自分に優しさを向けることが大事です。優しさと甘やかしは違います。自分に優しくなれなくて困ることはありますか。たとえば、失敗が続くとき、思うように事が進まないときには、「ダメダメ、ワタシ」「ボクはダメだ」という考えが浮かぶかもしれません。そんな時はまず自分の状態に気づくことが大事です。
誤魔化したり逃げるのではなく、「あっ、今、『ダメダメ』な自分になっている」「呼吸が浅くなっている」「悲観的な考えに陥っている」と気づきましょう。そして、その自分を認めて、優しくなだめ、「大丈夫、ワタシ」「ゆっくり行こう、ボク」「がんばれ、自分」と、言葉に出してそっと声をかけてみるのもいいかもしれません。
人に優しくなるためには、怒りや不満が沸いてきたときに、反射的に爆発させることはやめて間をとりましょう。3回深呼吸をしてみるのも良いでしょう。顔が見えないように、場を離れるのも一案かもしれません。困っている人がいたら、手を差しのべようとすることは大事です。
一方、誰かの痛みや苦しさを感じ取っても、そう感じた自分の気持ちを大事にしながら、気の利いたことを言おうとせず、そっとしておくことが優しさにつながることもあるでしょう。何もできない無力に耐える力を養うことが、優しさを育み支える力となります。
マインドフルになるおすすめのスポット
夜の多摩川沿い、等々力から上野毛にかけて:このあたりは空が広く、人や電気が多くないので、月や星がきれいに見えます。春が近づいたら、コートを脱いで散歩をしてみませんか。
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黒川 由紀子

心理学者、臨床心理士。上智大学名誉教授、黒川由紀子老年学研究所所長。特に高齢者の心理臨床を専門とする。これまで医療機関や福祉施設等で認知症の人への心理療法を専門職やボランティアと共に行ってきた。現在回想法グループ、自分史年表講座、マインドフルネスの会、歌・音楽を楽しむ会等を運営している。年を重ねる豊かさを多世代で共有できたらよいと考えている。
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