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マインドフルネスで「豊かなこころ」を

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「疲れたな」と感じた時、心を落ち着かせてくれる方法は何ですか?たくさんの情報が溢れ、目まぐるしい変化が起きている今の社会。どうしたら心を楽にできるのか。この連載では心理学者・臨床心理士の黒川由紀子さんに「マインドフルネス」を軸に、心を豊かにするためのヒントをご紹介いただきます。


 マインドフルネスについての連載は今回で最終回です。マインドフルネスは練習が大事。日々日常のちょっとした時間に取り入れることがポイントです。いくつかのポイントをおさらいしましょう。今、この瞬間に注意を集中する。そのために呼吸に意識を向ける。自分や他者を信頼してやさしく受け入れる。嫌な考えが浮かんでもゆったりと大空を流れる雲のように流す。五感を開いて全身で感じる。

  豊かなこころは、迷うこころ、揺れるこころ、辛いこころを体験してはじめて育ちます。豊かなこころを育むための終着点はないと言ってもいいでしょう。生きることはシンプルでないから面白い。浮き沈みをじっくり味わうことも、豊かなこころの源です。

臨床心理士として仕事をしてきましたが、まだまだ道半ばという感覚があります。元気な人は私たちの元にはきません。悩み、苦しみ、葛藤、障害、不自由を抱える方々にこれまで導かれてきました。臨床の場でぶち当たる壁こそが問いの宝庫。感謝しかありません。

豊かなこころを育むために、マインドフルネスが有効であることはエビデンスで確認されています。電車の中でもキッチンでも道ばたでも練習はできます。でも、できれば自然の中で行うとなおいいでしょう。樹齢400年の木は、静かに同じ場所にあって、騒がしい世の中をじっと見続けています。太陽は、太古の昔から地球に光を注いできました。大宇宙の星空や月を眺めれば、自然に呼吸が深くなります。風を浴びながら波の音を聴く時、一瞬でも雑念から解放されるかもしれません。大きな存在をヴィヴィッドに感じることが豊かなこころにつながります。


マインドフルになるおすすめのスポット

篠栗九大の森:九州大学福岡演習林の西にあり、平日はほとんど誰にも会わずに素朴な自然のなかを散策することができます。水辺の森では大木が水のなかに生息する珍しい風景に出会い、こころが整うひとときを過ごせることと思います。

Illustration | Sandor Zelenak

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黒川 由紀子

心理学者、臨床心理士。上智大学名誉教授、黒川由紀子老年学研究所所長。特に高齢者の心理臨床を専門とする。これまで医療機関や福祉施設等で認知症の人への心理療法を専門職やボランティアと共に行ってきた。現在回想法グループ、自分史年表講座、マインドフルネスの会、歌・音楽を楽しむ会等を運営している。年を重ねる豊かさを多世代で共有できたらよいと考えている。

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