
「疲れたな」と感じた時、心を落ち着かせてくれる方法は何ですか?たくさんの情報が溢れ、目まぐるしい変化が起きている今の社会。どうしたら心を楽にできるのか。この連載では心理学者・臨床心理士の黒川由紀子さんに「マインドフルネス」を軸に、心を豊かにするためのヒントをご紹介いただきます。
春から夏に向かう時期は、生き物が活き活きと動く季節です。山野では、鹿やコウモリ、ホトトギスやカッコウ、蛇やとかげをみかけるかもしれません。都会でも、燕やシジュウカラが飛び交います。そんな生き物の声を聴くことがあるでしょうか。
今回は「聴く」マインドフルネスをとりあげます。ところで、皆様は朝起きてから今まで、どんな音を聴きましたか。誰かの足音、窓やドアの音、トースターの音、ホームに入る電車の音、子どもの声。たった今は、どんな音が聴こえているでしょうか。時には、手を休めて耳を澄ませてみませんか。呼吸を続けながら、聴こえてくる音に注意を向けていきましょう。安全な場所に座わることができたなら、目をつぶって、音だけに意識をそっと集中させてみるのも良いでしょう。
耳に聴かせたい音はありますか。風に揺れる木々の葉音、朝の鳥の声、土や草を踏む音、せせらぎ。好きな音楽、楽器の音。状況によって変わるかもしれません。
通常は「騒々しい!」と、多くの人が嫌がる音を求める人もいます。高齢者福祉施設で暮らす100歳を超えた方が、「ここは静かすぎる。工事現場に行きたい。たまにはうるさいって感じたい!」とおっしゃった言葉が忘れられません。
うるさい場所で静けさを求め、静かな場所で騒音を求める、こうした気持ちの揺らぎがあることが、今、ここで、生きてる証拠、人間らしくてステキだと感じました。
マインドフルになるおすすめのスポット
トイレ。地球のどこに居ても、一瞬でも一人になりたいとき、人の視線から逃れたいとき、トイレはプライバシーが保たれる場所として、安らぎを与えてくれます。日本では、トイレの多様性が進んでいると感じます。もっとも、多様過ぎて流し方がわからずに困る人も居るようです。
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黒川 由紀子

心理学者、臨床心理士。上智大学名誉教授、黒川由紀子老年学研究所所長。特に高齢者の心理臨床を専門とする。これまで医療機関や福祉施設等で認知症の人への心理療法を専門職やボランティアと共に行ってきた。現在回想法グループ、自分史年表講座、マインドフルネスの会、歌・音楽を楽しむ会等を運営している。年を重ねる豊かさを多世代で共有できたらよいと考えている。
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