
初めてアフリカの大地に降り立ったとき、「懐かしい」と感じました。「ふるさとに帰ってきた」という感覚にもなりました。とてつもなく奇妙なことかもしれません。でもアフリカは人類発祥の地です。深いレベルで細胞が活性化され、懐かしい感覚を覚えたとしても不思議ではないでしょう。
マサイマラの大地は広大で、大部分が自然のままに残されています。大地に抱かれ、大地に触れられます。その場の体験はマインドフルそのものでした。都会の過剰な刺激から解放され、呼吸が深くなり、からだが緩み、遠くの川でかばが鳴く声が聞こえるのです。
最近、足の裏で大地にふれることはありますか。今回は「大地にふれる」マインドフルネスをお勧めしたいと考えます。元々人類は大地を踏みしめていたはずです。それが、いつの間にか大地と人間の間に人工物が入り込み、靴下、靴、ブーツ、コンクリートの地面、乗り物などが、大地に触れる感覚を奪っていくようです。
もちろん良いこともあります。利便性が高まり、限定的にせよ怪我や病気のリスクが減りました。でも、たまには大地にマインドフルに触れる感覚を取り戻しましょう。土、草、砂の上で裸足になって大地を感じてみましょう。海、砂浜、草原、山、丘に出かけましょう。近所の路地、空き地、川でも十分です。
目を閉じて、大地にふれる足の裏の感覚のずっと奥にある大地の内部、地球の裏側まで、イメージをふくらませてみましょう。地球には自然にマインドフルになる場所がまだまだあります。遠くても、近くても、そんな大地を守りたいものだと考えます。
マインドフルになるおすすめのスポット
マサイマラ。ケニア、タンザニアにまたがるマサイマラは地球最後の楽園とも言われます。日の出と共に大地がめざめ、動物たちが動き出します。マサイの少年たちが山羊や牛をサバンナに連れ出す時間がやってきます。

Illustration | Sandor Zelenak
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黒川 由紀子

心理学者、臨床心理士。上智大学名誉教授、黒川由紀子老年学研究所所長。特に高齢者の心理臨床を専門とする。これまで医療機関や福祉施設等で認知症の人への心理療法を専門職やボランティアと共に行ってきた。現在回想法グループ、自分史年表講座、マインドフルネスの会、歌・音楽を楽しむ会等を運営している。年を重ねる豊かさを多世代で共有できたらよいと考えている。
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