
のぶさんが新しい会に入った。黒姫童話館のガーデンエリアをボランティアで管理している「童話の森 花の会」(以下、花の会)だという。
その会がガーデニングイベントを開催するため朝から設営に参加することになった。今日は信濃町ファンクラブの方々も参加されるので、大忙しだ。
ガーデンエリアは駐車場から黒姫童話館に行く道の途中にある。中に入ると会場では既にメンバーが、無料で配布する用の苗を手際よく種類別に並べていた。並べ終わると華やかさが増した気がする。
受付には、おもてなしのハーブティーや手作りお菓子が並べられ、さながら"ちょっとしたパーティ"みたいになった。
花壇は大小様々で、青・ピンク・紫といった色別や、日本の山野草などのテーマでまとめられている。華美になり過ぎず、穏やかで自然体でありながら印象に残る庭の様子は、どことなく信濃町の人々に似ている気がしなくもない。
露店ではハーブティーや素材にこだわった焼き菓子などが販売され、花の譲渡会と合わせて大盛況だ。
「ガーデンツアーが始まるので信濃町ファンクラブの方はこちらにお並びくださーい。」とのぶさんが声を掛ける。どんな花々が植えられているのか、庭を巡りながら花の会の方に教わるツアーはファンクラブメンバー限定のもの、だったはずが気づけば聞き入る人が増えて列をなしていた。
「ここに植えている花の多くは宿根草で、3年くらい経たないと花を咲かせないんです。上手くいかないな、もうダメかな、と思いながらも辛抱強く続けていたら、やっと咲いてくれました。」
その言葉に気付かされる。目の前に広がっている景色が当たり前に自然と出来たものではないのだということを。この庭はかつてバラ園やコキア園だったが手入れが難しくなり育てられなくなっていたところを花の会の方々が再生させたそうだ。一年生の植物の場合、毎年植えて枯れると捨てることになる。廃棄を極力減らし、ローメンテナンスで持続可能なガーデニングを目指して、多年生の宿根草を選んだという。
それは、この場所が好きだから、訪れる人に楽しんでもらいたいから、花が好きだから。理由は様々かもしれないが、その善意によって庭を楽しむことが出来ている。
心地良い風が、庭を通り過ぎていく。この庭の物語を1人でも多くの人が知って、語られていきますように。

IIllustration | Karin & Suguri
「すまうもの。くらすもの。」のイラストは信濃町在住アーティストの方々によるものです
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