
信濃町に移住する人は増えているという。移住する理由は様々だが、もともとセカンドハウスが信濃町にあり、コロナ禍など社会環境の変化を機に移住を決めたという人も少なくはない。移住者の存在は、東京と長野という全く違う場所に飛び込むことにしたのぶさんには心強い存在だ。
今日は移住歴10年の方のご自宅にあるサウナを体験させていただけることに。彼らの住む黒姫保養地へと向かった。
森の中にある別荘地のエリアは自然から受ける影響も大きい分、手間をかけなければいけないことも多い。住みづらいと感じる人もいるだろう。しかしその手間を楽しんで過ごしている人達がここでは多いように感じる。のぶさんは、そんな先輩達の暮らし方や季節の楽しみ方から刺激を受けることが多いという。
その家は敷地内に除雪機で除雪しながらつくられた小径が張り巡らされ、木に飾られたイルミネーションの光で金色に輝いていた。庭はまるでおとぎ話に出てきそうな空間だ。その庭にある小さなロッジがサウナだった。
カットソーや短パンに着替えて、母屋からサウナへと向かう。入口は茶室のにじり口のように低くなっている。屈むようにして入ると薄暗い空間にサウナストーンが敷き詰められた薪ストーブが置かれていた。石に水をかけるとジュワーという音とともに蒸気が部屋を温め始める。息苦しくはない。温かいミストによって、体も心もほぐれてゆく。
しばらくすると誰からともなく、会話が始まった。日々の暮らしのことや、移住したときのエピソードなど。
世代の異なる彼らの話は、自分の世界を広げてくれる話ばかりだ。すっかりご無沙汰だったスキーも彼らに誘われて再開したそうだ。
出会ったばかりの頃は、「移住者」ということが共通点だった。今では、ともに信濃町ライフを満喫し、イベントを楽しんだり、時には支え合う仲間になっている。まるで第二の我が家のように。
「じゃあ、そろそろ夕飯にしましょうか。」
既に心と体は満たされていたが、お腹を満たすために母屋へと向かう。こういう心豊かな時間とともに、信濃町に移住して初めての冬はあっという間に過ぎていくのだろう。

llustration | Mayu Yamagata
「すまうもの。くらすもの。」のイラストは信濃町在住アーティストの方々によるものです
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