Hachi Medida

雪と暮らす、人と暮らす

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長野県信濃町。動物や虫など、その地に棲まう「小さきもの」にまなざしを向けながら、人の暮らしと重ねて句を読んだ小林一茶が生まれた土地でもあります。東京から信濃町に移り住んだ8 Hachi Media編集長のぶさん。この町にすまう命と人のくらしを季節の巡りとともにお伝えします。


「どどどどどーん!!」「ずざざざーーー!」と空から降ってきたような大きな音に驚かされる。さすが特別豪雪地帯。一晩で積もる雪の量も半端ではない。今年が特に多いというのもあるのだろうが、一瞬部屋が暗くなるほど大量の雪が屋根から落ちてくる。

最初の頃は音に反応していたのぶさんも今は慣れたもので、気にせず過ごしているという。夏は野原だった庭は雪が2メートル以上は積もっているのではないだろうか。のぶさんの犬が喜んで雪の中に埋もれるように走っていく。あの有名な童謡に出てくる「犬は喜び庭駆けまわり」は嘘ではなかったようだ。

この大量の雪と共に冬を越すのは移住者にとっては試練の一つとも言える。実際に、簡単に大丈夫と言えないから、信濃町のように雪が多い地域では冬本番を経験してもらうことも大切にしているそうだ。

確かに雪に慣れた地域の人ならいざ知らず、そうではない人からしてみると想像できない世界が広がっている。「雪かき」だって、ただスコップで雪を動かすだけではないのだ。夏の頃には何もなかった玄関横にはそれぞれ用途の異なる3、4種類の雪かき専用道具が置かれ、車内にも専用の雪除けグッズが搭載されている。備えあれば憂いなしというが、備える量がそもそも多い。一家に一台、除雪車を持っている人も珍しくないという。

ただ知らないというのは悪いことではない。教えてもらったばかりだからこそ、これから移住したい人たちに何が必要か、どういう世界なのかを同じ目線で伝えられる。第三者だからこそ、「当たり前」と思われていた特異点に気がつける。のぶさんにとって初めての雪との暮らしは、慣れないこともたくさんあるが、周りの人から教わることで、より地域の方々との繋がりが深くなれている気がするそうだ。

朝、エンジン音と共に雪が取り除かれていく音がする。地域の人に支えられていると感じる時間だ。楽ではないかもしれない、でも孤独ではない。大変だからこそ、助け合いの文化が色濃く残るこの土地で、初めての冬が盛りを迎えている。

Illustration | Mayu Yamagata

すまうもの。くらすもの。」のイラストは信濃町在住アーティストの方々によるものです

▼次回のお話

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