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「歩く」マインドフルネス

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「疲れたな」と感じた時、心を落ち着かせてくれる方法は何ですか?たくさんの情報が溢れ、目まぐるしい変化が起きている今の社会。どうしたら心を楽にできるのか。この連載では心理学者・臨床心理士の黒川由紀子さんに「マインドフルネス」を軸に、心を豊かにするためのヒントをご紹介いただきます。 

 


 板を踏む足。廊下を走る足。カーペットを歩く足。土を踏む足。芝生を駆ける足。波打ち際を歩く足。皆さまは足と対話をしていますか。足にどんな景色を見せていますか。たった今、足はどんな状態でしょう。歩くことで外界とつながり、他者と出会い、感覚が磨かれます。通勤、通学、買い物、健康維持、山の散策。歩く目的はそれぞれでしょう。目的なく歩く時間も魅力的です。

 時には、マインドフルネスを意識して歩いてみませんか。家の中でも外でも構いません。裸足でも、靴下や靴をはいていてもOKです。心を穏やかに鎮め、歩く動作にフォーカスしていきます。まずは足の裏に意識を向けて、地面と接する感覚を味わってみましょう。左足のかかとをゆっくり上げて、ふくらはぎの感覚に気づきながら、徐々に左足全体を上げて、ゆっくり前に出します。足に意識を向けながら、かかとをつけ、徐々に左足全体を地面につけていきます。体重を左足に乗せ、次に右足で同じように静かに一歩進めましょう。歩きながら、つま先やかかとふくらはぎ、その他のからだの感覚に意識を集中させます。しばらくゆっくり歩いたら、歩く速度を上げたり下げたりしてみましょう。

「歩く」マインドフルネスを街で行う場合は、安全性を確保し、いつもより少し遅いテンポで歩いてみたり、周囲のテンポに合わせたり、少し速く歩いてみたりします。この時、足が地面に触れる感覚に常に注意を払います。心が乱れている時は、速く歩くことから始めて、徐々にペースを落としてみるのもよいかもしれません。

「歩く」マインドフルネスは、いつでもできます。歩きながら、足やからだの感覚、自分の内側に意識を向けてみましょう。五感を澄ませて、歩いてみれば、今、歩いていることへの深い感謝の気持ちがわいてくるかもしれません。

マインドフルになるおすすめのスポット

京都、三鈷寺。山のてっぺんからの眺めが素晴らしい。行きにくい場所にあるためか、5人以上の人に会ったことがありません。畳の部屋で風を浴び、鳥の声を聴き、深く呼吸をしながら静かに過ごす時間がたまりません。

Illustrarion|Sandor Zelenak

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黒川 由紀子

心理学者、臨床心理士。上智大学名誉教授、黒川由紀子老年学研究所所長。特に高齢者の心理臨床を専門とする。これまで医療機関や福祉施設等で認知症の人への心理療法を専門職やボランティアと共に行ってきた。現在回想法グループ、自分史年表講座、マインドフルネスの会、歌・音楽を楽しむ会等を運営している。年を重ねる豊かさを多世代で共有できたらよいと考えている。

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