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「見る」マインドフルネス

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「疲れたな」と感じた時、心を落ち着かせてくれる方法は何ですか?たくさんの情報が溢れ、目まぐるしい変化が起きている今の社会。どうしたら心を楽にできるのか。この連載では心理学者・臨床心理士の黒川由紀子さんに「マインドフルネス」を軸に、心を豊かにするためのヒントをご紹介いただきます。 

 


あなたは今日何を見ましたか。天井、ふとん、歯ブラシ。朝焼けの空、白鳥の隊列、多摩川の流れ。玄関のマット、神宮のいちょう並木、雪の残る富士山、焼けたトースト、漆黒の匙、マーマレード。私たちは日々無数のものや情景を見ます。それらのものに、注意をどれくらい向けているでしょうか。

マインドフルネスは「今、この瞬間に、意図的に、評価も判断もすることなく、注意を向けること」(シーガルら)です。過去でも未来でもなく、「今」を大切にします。日常生活に取り入れて楽しみながら練習をするとよいと言われています。テーマを決めて、今、この瞬間に注意を向ける練習を行うことをおすすめします。

今回とりあげるのは「見る」マインドフルネスです。「見る」ことに注意を向け、見るものに、評価や判断は加えず、あるがままの姿を新鮮な目で見ましょう。

見ながら何か考えたり、判断したり、評価したりしていることもあるでしょう。たとえば、「この空は宇宙のどこにつながっているのだろう」、とか、「空飛ぶ白鳥は行ったり来たりしているが、どこに向かっているのだろう」とか。「通勤電車は息苦しくてきつい、あの表示が嫌いだ」とか。

マインドフルに「見る」時は、雑念を払い、今、見るものに注意を向けていきます。呼吸を続けながら、意識を「見る」ことに集中させ、感じてみましょう。どのようなモノでもよいのです。時には自然に身を置き、大空を流れる雲に目を向けたり、地面から芽吹く無数の小さな植物を見つめてみましょう。大木の下で、てっぺんを見上げてみたり、散歩に出て小さい植物をじっと見てみるのも良いかもしれません。自分の目に見せたいものはありますか。リストにしておいて、時間がある時にぜひ見せてあげてください。「見る」ことに優しく静かに注意を払えば、きっと新しい気づきが得られます。

マインドフルになるおすすめのスポット

四ツ谷、上智大学グラウンドの土手。1636年に江戸城の外堀として造られ、戦後グラウンドになった。中央線の車窓からも眺めることができる。桜の名所として知られるが、桜が咲いていない時期が静かでおすすめ。

Illustration | Sandor Zelenak

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黒川 由紀子

心理学者、臨床心理士。上智大学名誉教授、黒川由紀子老年学研究所所長。特に高齢者の心理臨床を専門とする。これまで医療機関や福祉施設等で認知症の人への心理療法を専門職やボランティアと共に行ってきた。現在回想法グループ、自分史年表講座、マインドフルネスの会、歌・音楽を楽しむ会等を運営している。年を重ねる豊かさを多世代で共有できたらよいと考えている。

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